どうしてトランポリンにはバッジテストと競技検定の2つがあるの?

 バッジテストと競技検定は全く異なるものです。

 バッジテストは1級合格した人はトランポリンを卒業する必要があります。競技検定は上級を合格した人は、基礎レベルのトランポリンを習得したことになり、その上、いよいよ背落ちや宙返りを練習し、本格的に競技選手の道を歩むことになります。

 

 話は変わりますが、陸上選手にとっては走ることがそのまま勝負となります。しかしランニングを行うのは他の多くのスポーツでも行います。たとえば温水プールのない水泳部の選手は屋外プールの使用できない冬には走り込んだり筋トレをして強化を行います。スキー選手も夏の間は南半球に行って過ごすか、走り込みなどのオフトレを行います。

 同様に多くの選手が筋トレに使うバーベルですが、重量挙げの選手にとってはバーベルを上げることがそのまま勝負となります。

 新体操やフィギュアスケートの選手の多くはトレーニングとしてバレエを習いますが、バレエの踊りができることが本来の目的ではなく、バレエによって美しい姿勢を作ることが目的です。

 同じものでもある人にとっては勝負、すなわちスポーツ競技になり、ある人にとっては単なるトレーニングになります。なお、トレーニングは運動ではありますが、トレーニング自体では優劣を競いませんのでスポーツではありません。

 

 トランポリンという器具を利用して行うスポーツがトランポリン競技であり、トランポリンという器具でトレーニングをするのがこどもの素養づくり(エアリアル・トレーニング)です。トランポリン競技選手の育成のためのテストが競技検定であり、こどもの素養づくりのためのテストがバッジテストです。

 バッジテストは、こどもの運動能力を育成するためのトレーニングにトランポリンを用いたものですので、トランポリン競技には必要のないボールトレーニングや、トランポリン競技では悪い姿勢とされるが、他の多くのスポーツには必要な背中のそりを用いた反動閉脚跳びが取り入れられています。だからバッジテストを終了した人は全メニューが完了ですので、トランポリン卒業です。

 中には、バッジテストを終えてから競技選手を目指す人もいますが、競技選手としては検定の初級レベルの練習からし直す必要がありますので、競技選手になりたい方はできる限り早い段階で、バッジテストではなく競技検定を目指して下さい。

 なお、現時点では、原則として、バッジテスト5級合格の段階で、競技を目指すか、エアリアル・トレーニング、すなわち将来他のスポーツに進むかを選択することになっています。