締めってなに?

 トランポリン競技では締めが大事と言われています。では締めとはどういうものでしょうか?これを説明するには難しいです。なぜなら締めって定義がないからです。

 自分なりに説明するとしたら、「筋肉が裏表あるいは左右、あるいは上下など対面する2つの筋肉が均衡した状態である」となります。

 たとえばトランポリンでは膝とつま先を伸ばした姿勢がよいといわれています。膝を伸ばすには、脚の前面の筋肉を緊張させ、引っ張れば膝は伸びます。膝関節は前には曲がらないようになっているので、一定のところまで引っ張れば膝は伸びます。同様に足首の場合背面の筋肉を緊張させれば、足首は後ろには曲がらないようになっていますので、つま先は伸びます。でもこの状態は締まった状態ではないのです。

 

 話は変わりますが、トランポリン競技初心者のストレートジャンプを見ていると、けっこうのけぞって跳んでいる人がいます。これはまっすぐな状態を意識して行っているからです。まっすぐな状態にするには、身体の末端であるつま先を伸ばす必要があります。つま先というのは足首を支点としてその先はありません。つま先を伸ばそうとして、背面の筋肉を使って足首を伸ばすと、足首の構造上一定以上後ろに曲がりません。逆に膝関節は後ろに曲がるようになっていますので、足首が構造上曲がらない状態まで伸びた状態でさらに背面の筋肉で引っ張ると膝を曲げる方向に力が働きます。膝は曲がらないように意識していますので膝が曲がらなければ、今度はその上の腰が反ることになります。こうしてのけぞった状態でのストレートジャンプができあがります。

 こうなってしまうのは、背面の筋肉ばかり使うからです。背面の筋肉に応じてそれに対応する前面の筋肉も緊張させまっすぐな姿勢を作れば、反り返ることはなくなります。つまり、のけぞって跳んでいるのは片方の筋肉ばかり使用しているからです。

 トランポリンで締まった状態というのは相対する2つの筋肉を緊張させて、まっすぐな姿勢を捕っている状態を意味するようです。