どうしてトランポリンの指導者資格は2つあるの?

 トランポリンの重大事故は2種類あります。1つはトランポリンからの転落事故、もう1つが宙返りの失敗による頭部からの落下事故です。

 前者を防ぐために、普及用のトランポリンの保護パッドはフレームの部分だけを覆って、わざとバネ部分をあけています。この部分を覆ってしまうと安心感から、パッド部分まで安全な場所と認識してしまい、トランポリンから落下の危険性が高くなります。

 わざと穴を開けておくことで、端によると危ないという意識を持たせて、中心で跳ぶようにしています。万が一失敗して、実際この部分に落ちても手足を痛めることはあっても、床まで落ちることはありませんので、危険性が低くなるようにしています。

 この他に、安全マットを敷く、スポッター(落下防止の補助者)をつけることにより危険性を低くすることができます。

 もう1つの重大事故は、宙返りの失敗による頸椎損傷(→半身不随)などの事故です。トランポリン競技は基本的に宙返りを行う競技ですので、トランポリン競技者は宙返りの練習をすることが必要です。しかしトランポリンの利用には宙返りをする以外にもいろいろな利用法があります。トランポリン競技者以外の人がトランポリンを利用する際に、宙返りをしなければこの事故は避けられます。

 そこで、トランポリン競技選手向けの指導をするコーチと、トランポリンを様々な用途に活用し、トランポリンを普及するために宙返りを指導しない普及指導員という2種類の指導者資格が設けられています。

 現在のところ、普及指導員の指導の主なものは、レクレーショントランポリンとこどもの素養づくりですが、今後は障害者や高齢者、怪我あけのリハビリなど様々な用途の指導を普及指導員がになって、トランポリンを普及していくことになると思われます。