2022年

11月

24日

第1回 「トランポリンを上手に跳ぶには」概要。

 初心者の方から時々「トランポリンを上手に跳ぶにはどうすればいいのか」という質問をいただきます。

 そこで、「トランポリンを上手に跳ぶ」ということを力学的に考察してみたいと思います。

  なお、初心者はまず、高いジャンプをするより、安定して同じ位置で跳ぶことを優先すべきです。安定して跳べるようになってから徐々に高さを上げていくことが大事です。

  では、安定して跳ぶにはどうすればいいのでしょうか?

 力学的に考えれば、力点の真上に重心を配置して跳ぶということです。

 そのために注意する主な点は以下の4点です。

 1)足の裏全体で着地する

 2)ひざを曲げない

 3)腰を曲げない。

 4)視線を下げない

 

次回から初心者が陥りがちの動作を力学的に考えて解説していこうと考えています。

 

 

 

2022年

12月

01日

第2回 足首を直角に曲げ足の裏全体でトランポリンに着地する

 まず一番注意しなければならないのは、初心者は土踏まず~かかとを持ち上げた、いわゆるつま先立ちに近い状態で着地することです。

  太い棒より細い棒が倒れやすいように接地面性が少ないと安定して跳べません。接地面積を大きくするためには足裏全体をトランポリンにつけることが重要です。そうしないと不安定になり足首のねん挫などを引き起こします。

 また、つま先立ちで一度着床したあと、トランポリンからの反力に耐えきれないで、かかとが落ち、かかとがつま先に遅れてつくことも多くなります。このときつま先側からかかと側に重心が移動するため、ジャンプが安定しなくなるとともに、トランポリンにより上昇しているのにもかかわらず、かかとが落ちた分体が下降して結果としてジャンプを殺すことになり、不安定な跳躍となります。

 

2022年

12月

08日

第3回 ひざを曲げないで跳ぶ

 地面で垂直跳びをするときはヒザの曲げ伸ばしを用いてジャンプします。このためトランポリン上でも同じように跳ぼうとする人が多いです。

 地面に比べて人体は柔らかいので、地面・床上では人体側をばねとして用いて跳ぶことが必要ですが、トランポリンではトランポリンのほうが柔らかいため、人体のほうは固くすることが必要です。固いものと柔らかいものがあるとき、柔らかいほうがばねの役割をしますが、ひざを曲げてしまうと両方ともばねとなり、片方のばねが伸びるともう一方のばねが縮んでしまい、トランポリンの反力をうまく使えないことになります。

 ちなみにトランポリンの跳躍を停止するには、ひざを曲げてトランポリンの反動を殺して停止します。つまり、ひざを曲げることはトランポリンの反動を吸収する動作なのです。 

 上級者はひざの曲げ伸ばしを使ってトランポリンを大きくたわませることにより高い跳躍をしますが、初心者がひざを曲げるとトランポリンの反動をひざで吸収して止まったり、トランポリンの反動に耐え切れずよりひざが曲がることに重心位置がずれるため、ジャンプが安定しなくなります。

 そのため、初心者はヒザを伸ばす、特にひざの裏を伸ばすようにして跳ぶことが上手に跳ぶコツとなります。

 

 

 

2022年

12月

22日

第4回 腰を曲げないで跳ぶ

 上級者なら腰を曲げて跳ぶ方法もありますが、初心者にはお勧めできない方法です。というのは、初心者は自然と腰を曲げた状態で跳ぼうとするからです。初心者に対してはむしろ、骨盤を立てて腰を伸ばすように意識させる方がジャンプが安定します。

 腰が引けると重心が後ろに下がることがあります。それ以上に多いのが、腰を曲げることで、上半身が前傾して重心が前に移動します。跳ぶ際には重心がある方向に力が働きますので、跳ぶたびに重心のある側に移動してしまいますので、腰を曲げて跳ぶのは安定して跳ぶことが出来ません。

 

2023年

1月

03日

第5回 視線を下げない

 人は着地点を無意識に確認しようとするため、視線が下がります。その際に頭が倒れ、重心が前に移動します。さらに頭が下がると腰が曲がり前傾することもあります。このためジャンプするたびに前へ前へとずれることが多くなります。

 トランポリンの端を見るように指示することも多いですが、これは視線が下がりすぎないようにするために行う指導です。

 怖くてもできるだけ前を見るようにして視線・頭が下がらないように跳ぶことが安定して跳ぶには必要です。

 

 

 

2023年

1月

12日

第6回 棒ジャンプ

 

 スキー競技者がトランポリンの基本的なストレートジャンプを「棒ジャンプ」と呼ぶことが多いです。この言葉が示しているように1本の棒のようにまっすぐな姿勢で跳ぶことがトランポリンで上手になる第一歩です。

 

 まっすぐに立った状態の1本の棒ということは支点の真上に重心があることになります。だから、トランポリンの基本的なジャンプは1本の棒のような姿勢で跳ぶために、「棒ジャンプ」と呼ばれるのです。

 

 以上のようにトランポリンと設置している足の真上に重心が来るようにとぶことがトランポリンで安定して跳ぶコツです。

 

2023年

1月

19日

第7回 空中で膝を曲げる

 ジャンプする際、膝を曲げる人が多いですが、これはあまりよくないです。

 膝を自分で曲げるのは、地面でのジャンプと同じ感覚だったり、膝を曲げると脚の位置が上がりますのでなんとなく高く跳んでいる気がするのでしょう。

 でも跳躍高さは地面から離れた際の初速度で決まってしまいますので、空中で膝を曲げても高く跳ぶことはできません。むしろ最高到達点は低くなります。

 なぜかどいうと膝を曲げると足の位置が高くなります。そのため重心の位置が上方にずれるからです。さきに述べた跳躍高さというのは、重心の運動を意味していて、重心の移動量を指しています。重心の位置が上がるということは相対的に頭の位置は低くなるのです。つまり目で見た高さは膝を曲げると低くなり、膝を伸ばした方が頭の高さは高くなるのです。

 垂直跳びの測定を行う場合も同じで、上げた手の指先が届くのは膝を伸ばしておいた方がよいのです。

 

 

2023年

2月

02日

第8回 膝が押し曲げられる

 トランポリン選手を見ていても、時々膝を曲げることがあります。これは、自分で曲げているというよりも、タイミングが合わず、トランポリンの弾性力に押されて、膝が曲がってしまっていることが多いです。

 初心者は特にトランポリンの反動に負けて膝が曲がってしまうことがよくありますので、膝を伸ばすことを意識して跳ぶとよいです。