どうしてトランポリンでは靴下で跳ぶの?

 器械体操の分野ではトランポリンを裸足で跳ぶのが普通ようであり、また一部のトランポリン教室では靴を履いて跳ぶ様に指導しているところもあるようですが、日本トランポリン協会では厚手の靴下か専用シューズで跳ぶことを推奨しています。

 これは、第1にトランポリン競技ではルール上そうなっているからです。しかしもっと大事なのは、安全上の問題からです。

 まず靴を履くと危険な理由を説明しましょう。靴は足や足首を保護する機能がありますが、靴のある部分と靴のない部分の境目に力が集中しやすくなっています。これは紙を折るとき下敷きや定規を当てておるときれいに折ることができるのと、ちょうど同じ原理です。境目に力が集中しやすいのです。運動靴は固い地面上で走る・歩くことを前提にして作られていますが、非常に柔らかいトランポリン上での運動のためには作られていません。そのため靴を履くとトランポリン上でバランスを崩した際に、靴の境目に力が集中して捻挫をしやすくなるので、靴は履かない方が安全です。

 次に靴下をはく理由を説明します。まず、靴下をはかないと衛生面で問題があります。トランポリンはみんなで利用し、トランポリンには手をついたり、顔がベッドに触れる機会がある腹落ちのような技も存在します。他人の足の裏が触れた部分に直接触れるのは衛生面で問題があります。

 また、ベッドの構造はぬれると滑りやすくなります(特に普及用のメッシュベッドは)。汗によりぬれると滑りやすくなり危険です。

 そして、トランポリンでは先に述べたように靴ははきません。靴は本来足を保護しますが、同時に指先や爪も保護してくれます。トランポリンのベッドは平滑な面ではなく編み目があります。この編み目に爪が引っかかると爪が割れたりはがれたりすることがよくあります。これを防ぐためにはつま先が頑丈な靴を履く方がよいのですが、靴を履くと捻挫の危険性が高まります。そこで、次善の策として爪先の保護のために靴下をはくことが必要です。

 

 最後に、トランポリンでは、靴下は結構すり減ります。そのため練習中に、穴が空くこともしばしばあります。靴下に穴が空くと結構目立ちますし、安全上の問題もありますので、練習の際には予備の靴下を用意しておくとよいです。