バッジテストでは手を付かなければよいとされている

 前回、初心者はひざの角度を90度より小さくしたほうがよいと書きました。しかしその角度が大きくなると(特に45度を下回ると)、今度はひざを支点とした後方回転力が強くなり、その結果お尻が落ちる運度を引き起こします。支えきれなければお尻が落ちて脚の上に乗ることになります。正座の状態です。

 

 塩野尚文著『エアリアル・トレーニング 子どものトランポリン運動(道和書院)』(道和書院)には、バッジテストの判定基準として“膝落ちの時、正座の状態になり、さらに手をついていた場合”大過失として扱うことになっています。つまり正座の状態になっても手を突かなければ、小過失として合格にしてよいのです。

 ひざ落ちは最初に受験する5級ですでに実施する種目です。バッジテストを受験する子供の中には運動嫌いの子も多く含まれており、そのような子は筋力が極めて弱い子も多くいます。

 

 前回書いたように、理想的なひざ落ちをさせると怪我をする危険性が高くなります。安全重視で言えばひざの角度を小さくしたほうがよいです。でもひざの角度を小さくすると、調整ミスで小さくしすぎたり、筋力がなくわずかな回転力でも抗し切れずお尻が落ちてしまう場合が多くなります。これを防ごうと角度を大きくしようと指導すると、今度は怪我の危険性が高くなりますので、安全を重視してお尻がおちた状態でも大過失として扱わないように判定基準は考慮されているものと考えられます。