膝落ちは危険な種目

 膝落ちは段階練習表のかなり早い段階で習う種目ですが、簡単な反面危険度が高い種目でもあります。

 だから膝落ちを実施する場合、低いジャンプで行う必要があります。

 ではなぜ膝落ちは危険なのでしょうか?

 それは、膝落ちは姿勢制御が難しい種目だからです。

 人間のからだの構造を下半身だけ見ると、下から足首関節、膝関節、股関節の3つの関節があります。これらは回転できる半ピン構造になっています。さらに腰や背骨では、湾曲することによりある程度回転できる構造になっています。人はこれらの回転を使って姿勢を制御しているのです。

 ところで、回転の方向には制限があります。下図の場合、足首は反時計回り・時計回り両方に回転できる構造となっています(反時計回りの方が回転できる角度は小さい)。これに対して膝関節は時計回りに、股関節は反時計回りに動きその反対方向はほとんど動かない構造になっています。

 

 

 先ほどは立位の場合でしたが、膝落ちの場合以下のようになります。もっとも角度調整ができる足首関節はベッドに押し付けられ、姿勢制御に使用することが出来なくなっています。これのため膝落ちでは回転量の制限が大きい膝関節と股関節の2つで主に姿勢を制御しなければならないのです。

 

 だから、膝落ちは姿勢制御が難しく、危険性が高い種目となるのです。