第5回 「単元2 普及指導員の任務」より(4)

 単元2(以前の単元3)の目的別指導法の一覧表でも「普及指導員の任務」同様に「レクリエーション」と「幼少年期の調整力トレーニング」は別なものとして区分けされています。バッジテストは「幼少年期の調整力トレーニング」の一部ですので、ここでもバッジテストはレクトラとは別なものとして扱われています。

 細かく見ていくと、

1)目的はレクトラは、「楽しむため・健康のため」であるのに対して、「幼少年期の調整力トレーニング」は「将来、スポーツ好きな人間に育つため」となっており、楽しむためのものではないことをが示されています。

2)心構えもレクトラは、「トランポリンは自己レクリエーション・スポーツの一つ」であり、「幼少年期の調整力トレーニング」は「将来のスポーツ活動の素養づくりトレーニング」となっており、トランポリンに限定したものではないことが示されています。

3)対象も「好きなもの」と「全員」と区別してます。つまり好き嫌いに関わらず行うのが「幼少年期の調整力トレーニング」であり、好きなものに対して行うのが、レクトラなのです。

4)反復については、レクトラが「条件反射回路の形成」するまで反復練習をすることに対して、「幼少年期の調整力トレーニング」は「条件反射ができるまで反復しない」となっており、「幼少年期の調整力トレーニング」では反復練習の回数に制限があるのに対してトランポリンが好きな子が行うレクトラは上手になるために条件反射回路が形成されるまで反復することになっています。

5)追及もレクトラが「楽しさ・健康維持増進」であるのに対して、「幼少年期の調整力トレーニング」は身体機能の開発(機能面の追求)であり、求めていくものが異なることが示されています。

 以上のようにバッジテストは、目的も対象もレクトラとは異なる目的で作られたものです。その結果、反復回数が一方は何度でも、他方は制限があるものという形で異なる結果にもなっています。