トランポリンでからだに加わる衝撃はどれくらいあるのでしょうか?今回はそれを求めてみたいと思います。
動いているものの速度が変化する際には運動量というものが変化します。そして運動量の変化は、力積と等しくなります。
体重Wのトランポリン選手が速度Vで着床した場合、最下点では速度が0となりますので、運動量の変化はW(V-0)/Gとなります。ここでGは重力加速度(9.8m毎秒毎秒)です。
力積は力と運動量の変化に要した時間の積ですので、F×Δtとなります。ここでΔtは時間です。
さて、トランポリン選手が跳躍の最中にトランポリン上に載っている時間は0.2~0.3秒といわれています。これは上昇・下降の往復時間ですので、下降つまりトランポリン選手がベッドに着床してから最下点までに到達する時間はこの半分の0.1~0.15秒です。
F×Δt=W(V-0)/G=W×V/G
ですので、衝撃力F=W×V/G/Δt=W×9.8/9.8/Δt=W/Δtとなります。
前回落下速度を求めました。V=秒速9.8mです。Δtは0.1~0.15ですので、0.1とすれば、衝撃力Fは10W、0.15秒とすると約6.67Wとなります。
つまり体重の6.67~10倍の力がかかることがわかります。体重60kgfの選手なら、400~600kgfの衝撃力がかかることがわかります。なお、これは着床してから最下点までに到達する速度の変化が一定の場合を想定しています、つまりトランポリンに載っている間の平均的にかかっている力なので、瞬間的にはもっと大きな力がかかっているかもしれません。