補足4(バッジテスト1級の特徴)

 バッジテスト1級は、前回書いたように組み合わせが非常に難しいものとなっています。

 1級は全部で3つのパートに分かれています。①「1回捻り腰落ち~1/2捻り立つ」、②「1/2捻り腹落ち~立つ」、③「1回捻り跳び-反動閉脚跳び」です。①と②の間には開脚跳び、②と③の間には抱え跳びというつなぎの技が入っています。前回①と②が難しいことは書きましたが、実は一番難しいのは、③です。

 一般に閉脚跳びもつなぎの技なのですが、反動閉脚跳びは違います。反動閉脚跳びは一度背中を反らせてから、その反動を用いて閉脚動作を行います。そのためには、通常の閉脚跳びより時間がかかります。すなわち、長い滞空時間=高い跳躍が必要なのです。反動閉脚跳びは難度はない種目ですが、実はかなり難しい種目なのです。

 更に閉脚跳びの前には1回捻り跳びという難しい技が入っています。この種目でバランスを崩せば、当然次に高い跳躍はできません。1回捻り跳びがぎりぎりできるようなレベルでは、高い跳躍を必要とする反動閉脚跳びは行えません。その上、パート③の前には跳躍高さが低くなる腹落ちが2度(1/2捻り腹落ち-ターンテーブル)入っていますので、その段階でも跳躍高さが低くなっています。跳躍高さを回復するためには、抱え跳びでしっかり跳躍して、高さを回復させなければなりません。反動閉脚跳びは通常の閉脚跳びより長い滞空時間を必要としますので、その前に2つフィートバウンスが入っているのです。つまり、抱え跳びで高さをとって、1回捻り跳びで更に高さをとって、反動閉脚跳びにつなげる必要があるのです。当然抱え跳びのまえの「立つ」がきちんとできていなければ、抱え跳びで高さをとることはできません。

 つまり、1級とは、今まで練習してきたすべての技がきちんとできることが前提にできるものなのです。そのためには5級が合格したからといって、5級の練習は適当ではだめなのです。腰落ちからたつを練習するのは5級ですし、立つのあとに跳ぶのも5級で練習する種目なのですから。

 1級で新たに習うターンテーブルや1回捻り腰落ち、あるいは反動閉脚跳びなどに目がいきがちですが、1級ができるようになるのは、それ以前の種目が確実にできるようになっていなければならないのです。