腹落ち・背落ち・腰落ち(4)

 前回に引き続き、背落ちなどで着床すると高さが低くなることについて書いていきます。今回はその理由についてです。

 さて、腹落ち・背落ち・腰落ちなどは以前書いた様に、分布荷重とみなせます。その際には点線のように下向きに凸のたわみが生じます。もし真っ直ぐな姿勢を保てれば、太線のようになるはずです。ベッドと接しているのは両端のみとなります。これは人体が単純支持の梁としてモデル化できることを意味します。そのため落下の勢いや自重がかかり人体も下向きにたわみます。

 実際これらの姿勢で着床した時全体的にベッドに接しており、中央が浮いていることはありません。このことは人体が直線的な姿勢を維持できず、変形していることを意味します。

 これらの姿勢で着床したときは足で着地した場合より、跳躍高さが低くなりますが、体が変形することにより、1種の緩衝作用が働き、跳躍高さが高くなるものと思われます。

 

 エネルギー的に考えると

 

 最高点の位置エネルギー=最下点の位置エネルギー+トランポリンの弾性エネルギー+人体の変形エネルギー

 

となり、位置エネルギーの一部が人体の変形エネルギーとして無駄に使われるため、エネルギーロスが生じて、跳躍高さが低くなるのではないかと考えられます。