トラベルするとジャンプが低くなる

 トラベルをして中心以外のところでジャンプすると跳躍高さは低くなります。でもこれはエネルギー保存の法則だけで説明できます。

 トランポリンでは跳躍のピークでは、速度は0です。そこから自由落下していきますので、高さHのところから物を落とすのと同じことになります。ピークから落下し始めると速度が生じます。速度を持つ場合、エネルギーとしては運動エネルギーを持つことになります。

 つまり、位置エネルギーの一部が運動エネルギーに変わります。言い換えれば高さが低くなった分の位置エネルギーが運動エネルギーに変わったのです。

 トランポリンに着床する寸前に速度は最大になり、着床すると徐々に減少していきます。速度の減少と高さの減少分がトランポリンの弾性エネルギーに形を変えます。そして最もたわんだとき(最下点)速度は0になり運動エネルギーは0となります。

 トランポリンから足が離れた時点で、弾性エネルギーが0になるとするとして、一連の動作を式で表すと、

 位置エネルギー(ピーク)=落下途中の位置エネルギー+上下運動エネルギー

 =位置エネルギー(最下点)+トランポリンの弾性エネルギー

 =位置エネルギー(離床時点)+上下運動エネルギー+水平運動エネルギー

 

 上記の式中にある水平運動エネルギーというのは、以前書いた様に中央で跳ばない場合は、傾斜角が生じ、水平方向への力が発生しますので、トラベルしたときに跳ね上がる際には生じます。つまり水平運動エネルギーとしてエネルギーが使われた分、上昇に使われる運動エネルギーが減り、位置エネルギーとして使われるエネルギーは位置エネルギー(離床時点)+上下運動エネルギーだけになりますので、跳躍高さは低くなるのです。