第26回 反復回数に制限を

 塩野尚文先生の著作『エアリアル・トレーニング 子どものトランポリン運動』の「6.指導上の留意事項」の「B.エアリアル・トレーニングにおける留意点」の「a 直接かたちに表れにくい留意点」では反復回数について以下のように説明しています。

 “⑥ 反復回数の制限を意識しておくこと。”

 

 これについては以前にも書きましたが、エアリアルトレーニングが、トランポリンのための練習ではないので、反復回数に制限をすることが必要なのです。

 一般に、運動の技術を習得するためには、反復練習が必要です。はじめはできなかったことが何とかできるようになり、やがて安定できるようになり、最終的には無意識に自動的に出来るようになります。自動的に出来るようになってしまうと、類似の動きに悪影響を及ぼすことがあります(マイナスの転移)。そのため、意識すればできるが、無意識にできる段階まで反復練習をさせてはいけないのです。将来のスポーツ活動にマイナスとなるからです。

 もう1つ考えておかねばばらないことがあります。前回書いた様に、エアリアルトレーニングはできるだけ短期間で終了するように意識しておくことが必要です。トレーニング効果が最も出る時期は低学年期までと限られています。不必要な反復練習を行い、時間を無駄にしてはいけないのです。効果が出るときにトレーニングを終了し、ゴールデンエイジ期から自分の選んだスポーツに力を入れていくのが正し子どもの育成方法なのです。