ローラー付きトランポリン

 トランポリンの脚にはゴムがついているのが普通です。このゴムが劣化すると固くなり、滑りやすくなります。某メーカーのトランポリンは片側にゴムのかわりにローラーがついているものがあります。トランポリンの出し入れをしやすくするための特殊な構造です。トランポリンを模式的に書くと下図のようになります。

 力が加わると、ベッドがたわむだけではなく、破線のようにフレームも変形します。

 ここで摩擦の問題です。摩擦にはすべり摩擦と転がり摩擦の2種類があります。トランポリンも畳んで移動するときにはローラースタンドを利用するように、運搬器具にはタイヤやローラーがついています。これは転がり摩擦は摩擦係数が小さく摩擦抵抗が低いからです。

 下図では、左側がゴム、右側がローラーとして描いています。ローラーの方が摩擦抵抗が小さいので、大きく動きます。ここで力を抜くと、フレーム(金属)は元に戻ろうとします。ここで、左側は摩擦抵抗が大きく、右側は小さいです。そして摩擦の性質として、動いている時よりも、動き始めるまでの摩擦抵抗は大きくなります(動摩擦係数<静止摩擦係数)。そしてすべり摩擦>転がり摩擦ですので、右側のローラーの方が早く動き始めます。そのため元に戻るときに左側を支点としてローラーが左に動きやすくなります。結果として、点線のように左側に移動することがあります。