第20回 条件反射的にできるまで反復練習をしてはいけない

 塩野尚文先生の著作『エアリアル・トレーニング 子どものトランポリン運動』の「6.指導上の留意事項」の「A.エアリアル・トレーニングの基本的な考え方」の「⑦ シャトル・ゲームと競技会」ではシャトルゲームについて以下のように説明しています。

 “シャトル・ゲームを競技会と位置づけ、県一、日本一を競い合ったならば、35種目の空中動作のいろいろな連続パターンを熟知し、条件反射的に行えるように練習を際限なく繰り返すことになる。そうなった場合、シャトル・ゲームはエアリアル・トレーニングとは、無縁のものになってしまう。”

 

 上記にあるようにシャトルゲームを条件反射的に行えるように練習を繰り返していはいけないのです。これは35種目をどんな組み合わせでも行えることを条件反射的に行えるようにすることを目的としていないことを意味します。エアリアルトレーニングで重要なのは、思い通りに身体を動かす能力を身に着ける事であり、条件反射的に実施できるようにすることを目的としていないということです。

 多様性のある運動として有効なシャトルゲームですが、あまりに長い期間繰り返し練習をしてしまっては、条件反射的に体が動くようになってしまい、他のスポーツをした際にマイナスの転移が生じてしまいます。だからこそ、エアリアルトレーニングには卒業が必要なのです。卒業がある以上、エアリアルトレーニングがトランポリンを長く愛好するレクトラのためのものではないことがわかります。