第18回 バッジテストは専門スポーツが決定していない子どものもの

 塩野尚文先生の著作『エアリアル・トレーニング 子どものトランポリン運動』の「6.指導上の留意事項」の「A.エアリアル・トレーニングの基本的な考え方」の「④ 身体機能の開発」では、エアリアルトレーニングの指導について以下のように説明しています。

 “専門スポーツの決定していない幼少年期には、試行錯誤を交えて経験させる身体機能の開発といった観点に立って指導に当たるべきである。”

 

 上記に書かれているように、エアリアルトレーニングは、何のスポーツをするかを決めていない子どもがほとんどです。つまりトランポリンをすると決めていない子どもが対象なのです。そのような子どもに対して試行錯誤を交えて空中動作を経験させることが目的で、その具体的な方法でトランポリンの基礎種目を用いているだけに過ぎず、基礎種目を習得することが目的ではないのです。そして、必要なのは多くのスポーツに共通する動作を空中で経験させることであり、トランポリン競技特有の基本的姿勢である膝・腰・爪先の伸びた姿勢を身につけることではないのです。当然このような目的で作られたエアリアル・トレーニングやバッジテストでは、トランポリン競技に通じるために美しい姿勢は不要であり、トランポリン競技やそれを後追いするトランポリン愛好者(レクトラ)には向いていないトレーニング方法となっています。