第22回 「単元8 スポーツの素養づくり子どものトランポリン運動(エアリアル・トレーニング)」より(13)

 「単元8 スポーツの素養づくり子どものトランポリン運動(エアリアル・トレーニング)」の「7.エアリアル・トレーニング指導上の留意点」「スポーツの素養づくりは効果的に且つ短期間に」では、以下のような記述がある。

 “より効率よく、スピーディに所定の35種目の空中動作を経験させる為に、連続形式すなわち5級~1級のバッジテスト形式を採用した。

 5級から1級までの連続パターンの中に必要な35種目が段階的に組み込まれている。“

 

 日本体操協会が作成した段階練習方法は、普及用、競技検定用、バッジテスト用の3種類があります。これらを見比べてみればわかるが、普及用及び競技検定用は基本的に単発種目を順番に並べてある(連続種目があってもそれらは連続種目でなければできない種目など2~4種目程度になっている)。これに対してバッジテストは連続練習が中心となった段階練習です。これは普及・競技検定用がトランポリン愛好者用(普及用は社会人向け、競技検定用が競技者および子供のレクトラ向け)であり、各種目を個別に段階的に反復練習になっている、つまり個々の種目を反復練習して完成度を高めていくためのものであるのに対して、バッジテスト用はここの種目は連続種目に取り組める程度の完成度があれば十分であり、一度に多くの種目を練習できるように連続練習が中心となっているためなのです。

 このように、トランポリン愛好者向けとエアリアルトレーニングでは練習の目標が変えられており、そのため段階練習方法も大きく変わっているのです。このことからもバッジテストの段階練習方法はトランポリン愛好者には向いていないものであることがわかります。