第13回 「単元8 スポーツの素養づくり子どものトランポリン運動(エアリアル・トレーニング)」より(5)

 「単元8 スポーツの素養づくり子どものトランポリン運動(エアリアル・トレーニング)」の「5.バッジテスト(5級)終了後にコース(バッジテスト・競技検定)の再確認」では、引き続き以下のような記述があります。

 “しかしながら、ほとんどの子どもは、幼少年期にはトランポリン的な運動を好むものである。

 幼少年期にトランポリンが好きだからと言ったから、トランポリン競技に向いているとは限らない。ほとんどの子ども達は、高学年から中学にかけて自分の好きなスポーツを自覚し始める。

  高学年になってもトランポリンが好きで、トランポリン競技に向いている子どもは、ほんの一握りに過ぎない。“

 ひとは、斬新実のある新たしい経験を非常に楽しく感じますが、同じことを繰り返すとたいていは飽きてしまいます。新鮮味が失わるからです。また、幼少期の子供は本能的にいろいろなことを体験しようとして、危ないと注意しても、高いとこにのぼったり、そこから跳び降りたり、あるいは落ちたりする経験を自ら行います。トランポリンで得られる空中運動経験は普段の生活では体験できないので、それを求めるため幼少期の子供はトランポリン運動を楽しいと感じることが多いのです。ただし、楽しいから好きとは限りません。同じ動作を繰り返し行えば、十分な経験を積んだことにより、その動作に対する興味を失うのが普通です。その結果より新しい種目を指導しなければやがて飽きてしまうのです。しかし高度な種目は危険性も高く基礎種目の完成度を上げる必要があります。そのためには反復練習が中心となる練習を行う必要がありますが、多くの児童は反復練習を好みません。

 バッジテストクラブでは1級合格すると原則として新しい種目を指導せず、シャトルゲームを中心とした練習を行っていくことになりますが、この段階までくると新しい種目を習得することができないので興味を失う子どもはかなりいます。子どもは好きな事なら何回も繰り返しますので、このような子どもはトランポリン運動が好きなのではなく、バッジテストの様に次つぎ新しい経験ができること、新しい種目ができるようになることが好きなのです。トランポリン運動自体を好きではない、子どもは決してトランポリンの愛好者として育っていかないのです。

 この時点で本当にトランポリンが好きなことそうでない子がはっきり出て来ます。そしてほとんどの子供はトランポリンの愛好者にはならないのです。つまりトランポリンが好きだからといってそのすべてがトランポリンの愛好者ではないのです。引用した文章はそれを示しているのです。