理屈でわかる段階練習表(最終回)

 以上説明してきたように、段階練習帳(普及版)は難度だけでなく、安全面や恐怖心を考慮して、順番が定められています。ある種目を行うには必要な種目がありますので、その関係をしっかり把握しておくことは重要です。

 しかし、いままで説明してきたように、ある種目をするのに直接関係のない種目があります。例を挙げると、例段階練習2「1/2捻り跳び」と段階練習3「腰落ち」、段階練習4「膝落ち」がそのような関係です。

 このように、段階練習の前にあっても関係のない種目もあります。逆をいえば、関係のある種目を把握して、だいぶ前に行った種目でも、ある種目にはいる前にもう1度練習させておいた方がよいといえます。つまり段階練習の順番通りに必ずしも行うのではなく、時にはとばして、時には前に戻って指導することも大事なのです。

 今回は、成人を対象とした段階練習帳(普及版)の解説でしたが、バッジテストの段階練習においてもこの普及版の順番がどうしてそうなっているかを考えると、非常に役立ちます。特に子供は転んで膝をすりむいたりして、「膝落ち」を使う練習ができないことがあります。このような場合「膝落ち」を用いる練習はできないことになります。どの種目が「膝落ち」を習得していなくても安全に行える種目かを把握していれば、先の種目を練習させることができます。このように、段階練習はなぜその順番になっているかを把握しておくことは非常に重要です。

 とういことで、長々と段階練習を解説してきましたが、自分は段階練習の作成に携わったわけではなく、普及指導員講習の内容を元に、自分で考えたものです。1つを除いてほとんど説明できたと思います。段階練習を深く分析してみてわかったのは非常によく考えられてできたものだということです。