バッジテストを受けても、運動神経はたいして良くならないというのは本当か?

 どうも本当らしいです。

 

 例えば(公財)日本体操協会の普及指導員講習テキストでは“ある一定の連続パターンで覚えた35種目の空中動作のみを持って、空中で自由自在に自分の身体を操る能力が身についたとは言いにくい。”と書かれています。

 さらに、文部科学省の幼児運動指針では“遊びではなく特定の運動ばかり行うとしたら、多様な動きを身に付けていくことには適していません”という指摘が行われています。

 つまり、特定(パターン化した)運動を行う運動指導、練習というのは運動神経向上にあまり役立たないということです。言い方は異なりますが、日本体操協会も文部科学省もそれを認めているのです。同様なことは日本体育協会も主張しています。

 バッジテストはまさに特定の運動を繰り返して練習する運動です。つまりバッジテストを受けても運動神経はたいして向上しないと考えられます。

 

 それでもなぜトランポリンを薦めるのか、それはトランポリンエアリアルトレーニングには、バッジテストの先があるからです。それがシャトルゲームとボールトレーニングです。シャトルゲームは35種目からなる時々刻々変化する連続運動であり、運動の多様性をもった運動です。そして以前書いた様にスポーツではなく運動遊びとしての面を十分持ったゲームです。このような子供の素養づくりに特化したプログラムを持つのはおそらくトランポリンだけです。しかも日常生活ではなかなか体験できない空中での運動経験を積むことができます。だからトランポリンはお勧めなのです。

 こう考えるとバッジテストだけのトランポリントレーニングは実に味気ないものとなります。ローラーができた、ターンテーブルができた、フルシート(1回捻り腰落ち)ができた、練習してできるようになった喜びは大切ですが、それらの技術を身につけること自体に大きな意味はありません。それらを組み合わせて身体を自在にコントロールする能力を身につける、そしてそれを空中で行うことで空中感覚を身につけるそれこそがトランポリンエアリアルトレーニングなのです。

 しかし現状はバッジテストだけが行われシャトルゲームがほとんど行われていません。「バッジテスト+シャトルゲーム」という2段階構成になっているため、本来のシャトルゲームを実施する手段であるが最初に取り組まなければならないバッジテストが大きく取り上げられ、シャトルゲームはおまけのようなもの、またはバッジテスト「1級」という名称がゴールのような印象を与えるなどによる誤解のためにシャトルゲームは実施されない状態が多くの地域で起きています。のこのような環境を改善するためにこのコーナーをもうました。

 

 全部を読んでいただければ、技術習得としてバッジテストだけを行うことが如何に意味のないものか、それに引き替え本来のトランポリンエアリアルトレーニングがすばらしいものか理解していただけるのではないかと思います。

 

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