バッジテストの大間違い。 すぐに改革を・・・。

 バッジテストの大間違い。 すぐに改革を・・・。

 

 

トランポリンを使った空中感覚トレーニングとは。

 エアリアル・トレーニングと称しバッジテスト・ボールトレーニング・シャトルゲームがあります。これらは将来、球技系スポーツ等に進みたい低学年児童の為にある運動処方です。運動をつかさどる神経系が最も旺盛に発達するが筋力が乏しく、自分で空中に跳び上がれない低学年期の児童にトランポリンを使って空中を体験させ、空中で自分な身体やボールなどを操る能力を養っておくための運動処方です。

 

バッジテストは子供のレクリエーション・トランポリン愛好者達の練習メニューではありません。

 前述のごとくバッジテストは、球技系スポーツなどの為に作られた運動処方です。

 ところが全国の普及指導員や協会が、トランポリンをしたいと言って集まってくる子供たちに一律にバッジテストをさせているようです。

 これは大変な間違えです。トランポリンをしたいと言って集まってきた子供たちに「トランポリン競技をやらないで球技系スポーツに進みなさい」と強制しているようなものです。早急にトランポリン競技の初歩段階「競技検定クラブ」を立ち上げて「トランポリンをしたい」と言って集まってくる子供たちには、最初トランポリンを知ること・なれる事を目的として「バッジテスト5級」に挑戦させてください。5級終了までの間に子供と保護者に対して、トランポリン競技(レクリエーションを含む)に進むか、ボールトレーニングなどを含むエアリアル・トレーニング(バッジテスト)に進むかを再確認させて進路を決めてください。なぜ、このような形をとるかと言うと低学年期の児童たちは、その時期トランポリンの様なぴょんぴょん跳び上がる運動を先天的に好みます。高学年から中学にかけて自分の本当に好きなスポーツを自覚してきます。

 

バッジテストをレクリエーション・トランポリンの練習メニューにすると、どのような弊害が起こりますか。

1、トランポリン競技に最も大切な身体の美しい線づくりに悪影響を及ぼします。

2、バッジテストは、その目的の関係上、各種目の反復回数を極端に少なくしていますので、貧弱な基礎系種目の習熟度の上に背落ち系や宙返り系の種目を載せていくと、大事故を起こす可能性が出てきます。この場合、不可抗力的な事故とはなりません。指導者の過失責任が問われることになります。

3、バッジテストを子供のレクリエーション・トランポリン愛好者の練習メニューにしておくと、球技系スポーツ等の指導者たちに、バッジテストが「球技系スポーツに有効」とは言えなくなります。

 

なぜ、このような間違いを犯してきたのか。

 50年余りのトランポリン競技の歴史の中で競技選手の指導はどのようになされていたのでしょうか。それは、指導者それぞれが工夫を凝らして指導に当たる「職人技コーチング」で行われ、日本協会で統一されたマニュアル等はありませんでした。一方、昭和54年に普及指導員制度が出来て、統一された社会人のレクリエーション・トランポリン愛好者の練習マニュアル(段階練習表160番)、子供たちのエアリアル・トレーニング(バッジテスト)が出来ました。コーチ制度は平成3年に制定されましたが、職人技コーチングの大枠が崩れることなく統一された練習マニュアルの作成には至りませんでした。したがって、全国の普及指導員や協会では、子供たちのレクリエーション・トランポリン愛好の為の練習メニューとしてバッジテストを処方していたのだと思います。

 平成17~8年ごろから国体参加の機運が上がり、国体参加の為の必修条件である「日本協会で統一された選手育成プログラム」の制定が福井卓也金沢学院大学教授の手で進められました。平成20年に「選手育成プログラム」が出来上がり、これを国体参加の為の必須条件となる「日本協会で統一された選手育成プログラム」とすることを役員総会で決定しました。その後に普及指導員制度の大改革を行い、普及指導員に宙返り種目を含まない基礎系種目をコーチングする指導資格を与えて競技検定制度を立ち上げました。

 更には、普及指導員による子供たちの指導について、次の事を義務付けました。

 トランポリンをしたいと言う子供達には、最初にバッジテスト5級に挑戦させてください。5級終了までの間に子供と父兄に対して、トランポリン競技(レクリエーションを含む)の競技検定に進むか、ボールトレーニングなどを含むバッジテストへ進むかを選択させて進路を決めてください。最初から競技選手を希望して入ってくる子供には、最初から競技検定に進めても差し支えありません。

 しかしながら、制度の改定後7年を経過しましたが、全国の普及指導員や協会では、まだバッジテストを子供の練習メニューとして画一的に使用しているようです。2019年茨城国体からトランポリン競技が国体種目になる予定です。益々競技志向の子供たちが増えてくると思います。その様な子供たちに画一的にバッジテストを処方したら大変なことになります。各地域では、早急に競技検定クラブを立ち上げて、目的に応じたプログラムを提供できるようにしていただきたいと思います。

 競技検定クラブの指導方法は普及指導員教本に詳しく書かれています。2000円です。お買い求めください。