5.NASAの調査方法

 NASAの研究調査では、

1)調査対象:19~26歳の男性8名

2)調査方法:トレッドミルを用いて4種類のスピードで歩行・走行した場合と、トランポリンを用いて4種類の高さで跳躍した場合について、加速度の身体分布について測定した。

3)加速度測定位置は踵、背中、額の3か所

ということがわかります。

 

 なお、ジョギングとありますが実際はトレッドミル(室内ランニングマシーン)での歩行・走行での調査です。トランポリンでの跳躍についてはどのようなトランポリンを使用したかは不明でした。但し跳躍高さを4段階に変えて調査していますので、跳躍高さを有意に変えられるようなトランポリンを使用したものと思われます。

 また機械的に走行速度が変えられるトレッドミルと異なり、トランポリンの跳躍高さは人が調整する必要があります。つまり、跳躍高さをコントロールできる程度にトランポリン運動になれた人が被験者であると考えられます。

 なお、多くのサイトではミニトランポリンとしていますが、アブストラクトでは跳躍高さを変えられるようなトランポリンということだけでミニトランポリンであったのか、競技用のトランポリンであったかは判断できませんでした。

 ただし、家庭用のトランポリンではトレッドミルによる歩行・走行速度に対応するほど跳躍高さを変えることは難しいと思われますので、実験に用いられたトランポリンは高さ調整ができる程度の大きさのトランポリンであったものと推定しています(ただし、アメリカでは庭が広いので、家庭用のトランポリンでも数mの大きさの大型のトランポリンが広く使われています)。本文には書かれているのかもしれないので、これはあくまで自分の推定ですが。

 

 さらに「ジョギングよりも68%も運動効果が高い」という「68%」というキーワードもアブストラクトには書かれていません。おそらく本文に書かれているものとは思われますが。

 以上のようにアブストラクトだけからでは判断できないことも多いですが、アブストラクトにはいくつかの調査結果が報じられていますので、次回から個々の成果について考察していきたいと思います。