「単元7 競技スポーツ・基礎レベルのコーチング」-その3. 競技検定の段階練習表

 「2.競技検定の段階練習表」では、新たに競技検定(宙返り含まない競技選手の指導)向けの段階練習表(競技検定段階練習表)が載っています。この段階練習表は段階練習表(普及版)やバッジテスト段階練習表と大きく異なっている点が2つあります。

 競技検定段階練習表はレクリエーション用の段階練習表(普及版)を簡略化したものです。レクレーション用は運動経験のない成人を対象にしていますので、細かい段階練習となっていますが、競技検定は競技選手を目指すような運動能力の高いものが対象となることから、段階を適宜省略しても大丈夫なので簡略化していますが、基本的に段階練習表(普及版)と同じ内容です。また、バッジテスト段階練習表のような連続練習中心の段階練習にはなっていません。しかし、その順番はかなり変わっています。それが1つ目です。もう1つの大きな違いは、指導法が各段階について記載されていることです。指導法は技の段階練習方法だけではなく技の完成度までについて記述されています。

 自分が気になるのは指導法に書かれている練習種目が、段階練習に入っていない点です。たとえば、「ローラー」の前段階として練習しておくべき「腰落ち-1/2捻りよつんばい落ち」、「スイブル」の基本となる「腰落ち-1/2捻り膝落ち」や「腰落ち-1/2捻り立つ」などは段階練習表に入っていません。

 以上の2点、つまり順番がかなり変わっていること、段階練習に無い種目が指導法に記載されていることから、段階練習表(普及版)やバッジテスト段階練習表とは異なり、この順番で練習させるという意味での段階練習表にはなっていないように思われます。むしろ、段階練習表となっていますが、この段階練習に沿って種目を練習させるのではなく、段階練習としては基本的に元となっている段階練習表(普及版)を参考にしながら、競技選手として最低限できなければならない種目とその完成度についてのチェックリストとしてこの表は利用するものであると考えています。