踏みとは何か

 前回書いた様に「白樺のポーズ」は高い跳躍をするために必要な技術です。この技術はトランポリンの弾性エネルギーを効率よく運動エネルギー・位置エネルギーに変換する技術です。

 一方トランポリンは落下の運動エネルギーを弾性エネルギーに変換する装置でもあります。しかし、「白樺のポーズ」は弾性エネルギーと運動エネルギーの変換効率を高める技術にすぎません。「白樺のポーズ」をとってよく締めて落下して、完璧なエネルギーが変換されても跳躍高さは徐々に低くなります。なぜならベッドの空気抵抗やばねとフレームの間で起こる摩擦によるエネルギーロスは必ず発生するからです。つまり締めや姿勢だけでは高い跳躍は出来ないのです。

 ここで、以前「トランポリンを使っても一定の高さまでしか飛べないのはなぜか」で書いた様に人体からトランポリン加わる力を説明しました。この力があるからこそ予備跳躍で徐々に高さが増していくのです。「白樺のポーズ」はエネルギーの変換効率を高めるだけの技術に過ぎず、外部から加わるエネルギーがなければ跳躍が高くなることはないのです。この外部からエネルギーを加える技術が「踏み」と呼ばれる技術です。