試合時間制限

 シャトルゲームには、時間制限がなく、決着がつくまで続けることになっている。これに対してシャトル競技には3分間という対戦時間が設定されており、時間稼ぎを防止するために予備ジャンプの回数が制限されている。

 繰り返しになるが、シャトルゲームはトランポリンを用いたトレーニングでありスポーツではない。一方シャトル競技はトランポリンを用いたスポーツである。スポーツとしてのトランポリンの本質は「より高く・より美しい」演技をすることにある。

 シャトル競技は全国スポーツレクリエーション祭の正式種目となることで全国展開してきた関係上、スポレクで採用された団体戦が普及しているが、本来個人戦である。団体戦では時間切れの場合引き分けとなるが、個人戦では審判による判定勝ち、すなわち「より高く・より美しい」演技をした方が勝者となる。これは団体戦においても代表者決定戦では採用されているルールである。

 そこで、シャトル競技のルールを以下の様に言い換えてみる。

1)試合時間は3分である。

2)選手は交互に種目を追加しながら演技を行う。

3)試合時間内で行われた演技の演技性で判定して勝敗を決める。ただし、試合時間内に中断・種目違いなどした場合はその時点で負けとする。

 こういいかえれば、シャトル競技もトランポリン競技と同様に演技性を求めるスポーツであることがより鮮明になると思う。

シャトル競技は「楽しく汗をかく」ことを前面に出しているが、技術レベルが上がり実力が拮抗した者同士の対戦の場合、「より高く・より美しい」演技が必要となる。すなわち時間制限を設けることにより、レクレーションとしての面が多いシャトル競技においても最終的にはスポーツとしてのトランポリンの本質「より高く・より美しい」が求められているのである。

 これに対してシャトルゲームには、時間制限はなく、結果として、「より高く・より美しい」演技が求められることはない。

 トランポリンエアリアルトレーニングの説明で引き合いによく出されるバーベルであるが、バーベルを用いる競技に「重量挙げ」がある。重量挙げにおいてトランポリンの本質「より高くより美しく」に相当するのは「より重く」である。しかし、バーベルを用いて行われるウェイトトレーニングは筋トレの一手法であり、必ずしも「より重く」を目的としていない。むしろ適切な重量を「より多く」または適切な回数持ち上げることが行われる。ウェイトトレーニングは競技スポーツとして行われる「重量挙げ」のために行われているのではなく、あくまで健康維持や自分が行うスポーツに必要な筋肉を作るために行っているからである。同様にトランポリン・エアリアルトレーニングも競技スポーツとしての「トランポリン」を目的とせず、スポーツ素養づくりのためにトレーニングであるので、トランポリンの本質である「より高く・より美しく」は盛り込まれていないのである。このことから、バッジテスト受けている児童、正しくはトランポリン・エアリアルとレーニンを処方されている児童は、トランポリンというスポーツをしている者、つまりトランポリンの愛好者ではないといえる。言いかえれば、ウェイトトレーニングを行うものは重量挙げを志すのではなく、他のスポーツに必要な筋トレとして行っているのと同様に、他のスポーツのために必要な運動能力向上のためのトレーニングを行っているといえるのである。

 

 

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