No.67(2008年11月)

 5~7ページに岩下コーチの北京オリンピックの報告が掲載されています。その中に北京オリンピック日本代表の廣田選手のけがについて記載されています。

 北京への出発の2週間前の合宿最終日にスポッターマットによるアクシデントにより恥骨損傷(報道関係によると恥骨骨折)、うちもも肉離れをして、完治しない状態で出場したことがわかります。なお、安全対策としては、難度を下げて出場したとあります。

 このけがについては、オリンピック終了後に公表されたと思いますが、スポッターマットのアクシデントとありますので、スポッターを担当した人の責任問題に発展しないように配慮したものと思われます。

 なお、シドニーオリンピックでも中田選手がけがをした状態で出場していました。

 選手にとってオリンピックに出るかどうかは、その後の人生において非常に重要な分岐点となりますが、体調不良による事故ということも考えられます。オリンピックという世界中が注目するイベントで万が一大事故に発展すれば、そのスポーツの受けるダメージは計り知れません。同じ北京オリンピックで女子マラソンの野口みずき選手が肉離れを原因に出場を取りやめているのと合わせると、廣田選手もすでに2度目のオリンピックでしたので、別な選択もあったのではないかと思います。

なお、このけがをおしての出場という問題は、よく考えてみたら子供のころに見た「巨人の星」でも取り上げられていたように思います。つまり何十年も前から問題視されているが未だ解決策はないというものです。

 もし大事故になっていた場合、法律上で考えると選手本人の責任だけではなく、コーチや医師の責任も検討されることになると思います。