テニスの4大大会の1つの全仏オープンはクレーコートで行われます。最も権威があるといわれるウィンブルドンは芝のコートで行われます。クレーのコートはバウンド後の急速が低下するのでストローク力が強い選手が勝ちます。逆に芝のコートはバウンド後もよく滑って急速が落ちないので強いサーブを持つ選手が有利といわれています。
どちらのコートも日本ではあまり見かけないコートです。日本では、ハードコートと呼ばれる硬質ゴムのようなコートとオムニと呼ばれる砂入り人工芝のコートが一般的で、このほかインドアコートでカーペットコートが用いられていることがあります。
テニスのシューズは大きく分けると、オムニ・クレー用、カーペット用、オールコート(おもにハードコートで使用する)の3種類が販売されています。オールコートは普通の運動靴と同じようにそこに溝がついています。オムニコートはゴム製のいぼがついています。これらに対してカーペット用のシューズの底は溝もなく平らになっています。
コートによって靴底の形状がかえてあるのです。これは、コートの表面の性状に合わせてあるからです。オムニ・クレーは砂がありますので、滑ります。そこで、ゴム製のいぼがスパイクの代わりをして滑らないようになっています。逆にカーペットは滑らないので、平らになっています。停止する際、走った勢いを止めるのにある程度滑った方がよいからです。もし、溝やいぼがあったりすると止まるとき急に停止しすぎて、足に負担が大きくなります。
滑りやすさ、逆に言うと滑りにくさは摩擦によるものが大きいです。つまり、テニスシューズの例のようにスポーツにおいて摩擦というのは非常に重要な現象です。
というわけで、次回からトランポリンにまつわる摩擦の話を書こうと思います。