No.60(2006年6月)

 以前にも紹介したアミューズメントセンターの事故の記事が掲載されています(5~6ページ)。

 ここでは、事故の要因について抜き書きしておきます。

1) 注意書き看板はあったものの、指導的・監督的立場の人員が配置されていなかった。

2) 負傷者は、店員が注意したにもかかわらず宙返りを行い、頚椎損傷事故を起こした

3) 午前2時ごろという通常運動を行わない時間帯である。

この点から、事故の要因は負傷者本人と施設側両方にあったとしています。

 海外の事例にもたびたび出ていますが、常に監視者(できれば指導者・監督者)を配置していれば、防げた事故と思われます。

 遊具の場合野放し状態で利用できることも多く、このように監視者がいないことは過失になるという判例が出ればこのようなことはなくなるのではないかと思います。ただし、学校の事故における判例などを見ると、学校の場合、コーチ・教師がいないときに事故が発生していることが多く、その場合、必ずしも指導者不在=監督責任の過失となっていないので、このような状態が起きているものと思います。でも、学校の部活の場合、教師は職業的に行っているのではなく、教育の補助的な立場であることも多く、アミューズメントセンターやトランポリン教室の場合とは異なるとも考えられますので、いずれはそのような判例が出るのではないかと思います。

 なお、公共体育館で活動している場合、指導者がいることがトランポリンの貸し出し条件になっていることが多く、指導者が不在で事故が起きた場合、貸し出し契約に対する違反行為となりますので、民事上の責任は大きいと思います。