段階練習2 1/2捻り跳び(1)

 1/2捻り跳びは体軸回りの回転動作です。回転動作に必要な動きとしては、①回転力を発生させる、②回転を維持する、③回転を停止させる、以上の三つの動作が必要です。

 強い回転力を発生させる方法は2つの動作の組み合わせにより行われます。まず、1つは体軸回りにねじれを発生させてそれを戻す事により回転力を得ること、もう1つは回転半径を大きくすることです。①の体軸回りにねじれを発生させるのは、テニスのテイクバックをする動作で顕著に見られます。②の回転半径を大きくするのは、フィギュアスケートで顕著に見られます。回転の開始時に脚を伸ばしているのは、回転半径を大きくとり、てこの原理により強い回転力を発生させるためです。

 トランポリンでの捻りでは、回転の発生箇所は腰です。腰はあまり大きな回転半径はありませんし、腰部分は、重心に近い位置にあるため、体軸回りのねじれをほとんど発生しません。でもトランポリンでは、抵抗力の少ない空中で行うため、小さな動作で十分な回転力が得られます。

 このように、大きな動作をしなくとも回転力が発生できるのがトランポリン運動の特徴です。そしてトランポリンで得られた回転運動経験をベースとして、より強い回転力を発生させる運動へと発展させることは、より強い回転運動を生み出せる物と考えられます。