No.22(平成元年12月)

 1ページ目にコーチ制度の整備と安全指導講習会の開催についての記事が掲載されていて、普及指導員が選手育成を行うことは、「普通免許で大型バスを運転するのと同じ」と評しています。

 また、「大事故が発生した場合普及指導員の資格では協会は救護の手を差し伸べることができない」としています。

 これは、まず普及指導員ができる範囲は脊椎損傷などの大事故を起こす危険性がない種目のみに限定していること、また普及指導員の資格は日本トランポリン協会の作成した段階練習に基づいた指導を行うことになっており、その指導範囲内のことを指導手順に従っておこなった場合、日本トランポリン協会が指導上の過失はなかったことを保証するということです。逆を言えば、指導範囲や指導手順を逸脱した場合は日本トランポリン協会はタッチしないということです。言い換えれば、指導範囲や指導手順を逸脱した場合は普及指導員の資格の有無は関係なく、自己責任において行い、過失がなかったことを自分自身で証明する必要があるということです。万が一裁判になった場合、トランポリンについてはほとんど無知な裁判官に対して、自分の指導に過失がなかったことを、協会のような後ろ盾をなくして説明するのはかなり大変な労力になります。

なお、普及指導員の資格は法律などで制定された資格ではないので、資格を持っていないことが法的な過失に直結するものではありません。これについては、自動車運転免許を例にして改めて解説したいと思います。