高さの式(自由落下)

 h=G×t^22

 理科で習った式で自由落下の式というのがあります。hはものを落とす高さ、Gは重力加速度、tが落ちている時間です。^はコンピュータ上で累乗を示しています。^2は二乗を示しています(h=G×t×t/2と書き直せます)。つまり落下時間の二乗に落下高さは比例します。

 トランポリン選手が実際どのくらいの高さで跳んでいるかということはこの式から求められます。なぜなら跳躍の頂点から落ちるのは自由落下であり、空気抵抗などを無視すれば、上昇と下降にかかる時間は等しいと考えられるからです。

 トランポリンのTスコアは10本の跳躍の滞空時間を11点に点数化したものです。男子のトップ選手のTスコアは18点前後ですので、1回の跳躍は平均すると1.8秒となります。この数値は演技中ですので単純にストレートジャンプをしているときはもっと高くなります。

ちなみにトランポリンの代表的な技術書に「Two seconds of freedom」( Frank Ladue and Jim Norman著)がありますが、この本のタイトルにあるようにトランポリン選手の1回の跳躍の滞空時間は約2秒です。そこで、1回の跳躍を2秒とて計算します。基本的に往復にかかる時間は同じですので、往復2秒、片道1秒となります。先の自由落下の式に当てはめるには、頂点から着床するまでの時間を使いますので、t=1s(s=秒)

Gは一般的に9.8//sとされていますので、hは4.9mとなります。

よくトランポリン選手は7mとか、3階高さまで飛んでいるといわれていますが、トランポリンの高さ1.1mを加えても6mにしかなりません。しかし、座標の時にも書きましたが、選手の目線を中心に考えると、1.5mぐらい高くなりますので選手の見ている高さは7.5mとなります。また3階建ては1階が3.54m、2階は33.5mの階高がありますので、3階の床の位置は7.5m前後になりますので、およそあっていることになります。

まとめると、トランポリン選手が跳んでいる高さといわれる7mとか3階高さというのは、地面からトランポリン選手の見ている地点の高さで、実際の跳躍の高さはトランポリンから5m程度ということです。