福島大学 白石豊教授

 福島大学 白石豊教授著「運動神経がよくなる本」によれば、運動神経をよくするチャンスは3回あるのだそうです。

 まず最初のチャンスは1歳から6歳の間だそうです。この期間にひとは、基本運動形態をすべて習得し、小学校に上がる前にパワーや精度は劣り、ぎごちなさはあるものの大人と同じ動きを習得するのだそうです。

 2回目のチャンスは、10歳から12歳だそうです。この時期こそ一番運動神経が発達し、数回見ただけで同じ動きができるようになる「即座の習得」が発現する時期です。この時期に適切な指導を受け、技術を習得しなければ、トップ選手となるのは困難になるようです。

 3回目のチャンスは16歳から22歳だそうです。この時期の前にある中学生の時期は体の成長が著しく、一時定期に運動機能が低下することもある停滞期になるそうですが、その停滞期を乗り越え、3回目のチャンスまで続けられれば、今度は成人としてのハイレベルな運動ができる時期になるということです。なお、個人的な見解として中学校の停滞期はちょうど蝶が芋虫からさなぎを経て大きく成長するように、さなぎに相当する年代なのだと思います。つまりこの時期にも蓄えるべき物はあると思います。

 さて、2回目と3回目の間の中学生の年代は停滞期と説明しましたが、1回目と2回目の間の7歳から9歳の3年間はそれまでに比べて神経系の発達が緩やかになる時期です。この時期は6歳までに揃った基本形態の精度を上げるために必要な時期で、運動神経の発達の停滞する時期ですが、10歳以降に比べればまた神経系の発達が大きい時期ですので、第1回目のチャンスを逃した場合この段階で運動の基本形態の修正することが可能な時期となっているようです。

 また、2回目のチャンスに発現される「即座の習得」も、それ以前の時期に基本形態を習得していることがあって初めて発現されるものと考えられており、第1回目のチャンス(6歳以下)かそれに続く修正期(7歳から9歳)に基本形態を習得しておくことが最終的に運動神経のよくする一番大事な時期となっているようです。